講座紹介
生命の基本単位は細胞です。細胞活動を維持するために必要な情報が遺伝物質であるDNAに刻まれています。では, DNA配列を解読すれば, 生命を生命たらしめる仕組みがすべて理解できるのでしょうか。現在までに, 多くの種類のゲノムDNAが解読され, 2022年にはヒトのゲノムDNAが完全解読されました。ヒトの場合, 約60億の文字数からなり, そのうち, タンパク質の設計図となるのは約22,000文字数(全体の1〜2％)ということが判明しています。しかし, 残り約99%のDNA配列が何を意味していのかほとんど分かっていません。つまり, 生命の誕生, 成り立ち, 仕組みなどは, ほとんどが未解明で, やっと, 私たちは, DNA配列という地図を手に入れて, 様々な生命現象を物理・化学的な手法で解析し始めたところなのです。
生物科学分野では,生物科学の基礎から学んでいけるようにカリキュラムが組み立てられています。また, 物理と化学の知識をベースに様々な生物の現象を研究しています。ですから, 高校で生物を履修していなくても大丈夫です。むしろ, 大学からじっくり, 生物の専門知識を学んでください。もちろん、高校で生物を履修して、生物好きの学生には、さらに専門知識を深くまで理解できようになります。
現在, 生物科学講座は3人の教員( 真壁, 渡部, 平田)で構成されており, ホヤ, 河エビ, アフリカツメガエル, 環境微生物をモデル生物として研究しています。
- ゲノム化学的な立場で発生と進化のメカニズムを包括的に理解しようする研究(真壁)
- 動物の細胞分化や器官形成のしくみを遺伝子のはたらきを通して調べる研究(渡部)
- 特殊な環境にいる微生物の持つタンパク質の「かたち」と「働き」の関係性を調べて, その有効活用を考える研究(平田)
