徳島大学 生物科学講座徳島大学理工学部 自然科学コース 生物科学分野
大学院創成科学研究科 理工学専攻 自然科学コース 生物科学講座

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平田研究室

環境生命化学研究室

平田プロフィール: http://pub2.db.tokushima-u.ac.jp/ERD/person/364635/profile-ja.html

研究室ホームページ: https://wwp.ait.tokushima-u.ac.jp/lifescience/

研究テーマ: 特殊な環境にいる微生物のもつタンパク質と核酸の機能について研究しています。近い将来、未知の機能を持った環境微生物を発見し、その機能、生理・生態を解明して、環境浄化・修復や医薬食品開発を目指します。

現在、平田研究室では、環境微生物である好熱菌のタンパク質・酵素および核酸の働きを分子レベルで明らかにしています。特に超好熱性アーキア(古細菌)の遺伝子発現に関与するタンパク質・酵素および核酸の働きを研究しています。X線結晶構造解析により、タンパク質・酵素および核酸の分子構造を決定し、分子構造に基づく生化学解析を行います。また、酵素遺伝子の菌体内における働きを明らかにするため、遺伝子を欠損させて調べています。端的に言うと、各生体高分子の働き(基質認識、触媒反応、耐熱化など)の仕組み(メカニズム)を可視化してシンプルに理解できるようにします。

タンパク質のX線結晶構造を決定するまでの流れ

研究成果

世界で初めてアーキアRNAポリメラーゼのX線結晶構造を決定しました。全体の分子構造は、ヒトを始めとする真核生物RNAポリメラーゼIIと似ており、アーキアと真核生物が同じ共通祖先から分岐したことを示唆します。

超好熱性アーキアThermococcus kodakarensis(Tko)が高温下で生育するのにtRNA分子のメチル化修飾遺伝子trm11が重要であることを明らかにし、Tko tRNATrp の修飾ヌクレオシドを含む全塩基配列を決定しました。

アーキアの前駆体tRNA中に存在する変則的イントロンは、活性部位近傍に存在する特異的ループを持つRNAスプライシングエンドヌクレアーゼによってのみ除去されることが明らかになりました。

真核生物 tRNA のアンチコドン一文字目のリボースをメチル化する Trm7-Trm734 複合体の構造解析を行ない、その構造をもとに、この複合体が特定のtRNAのみをメチル化する仕組みや各サブユニットの役割を、分子・原子レベルで解明することに成功しました。

研究室風景(総合科学部3号館3階)

過去の卒業研究の内容

卒業研究は、組換えタンパク質・酵素の作成およびその酵素学的性質の決定や結晶化を行う場合がほとんどです。大学院研究では、タンパク質・酵素の分子構造を決定し、基質認識および触媒反応機構の研究を行います。以下に過去の卒論・修論タイトルの一部を挙げます。詳しくは研究室HPをご覧ください。

  • アーキアRNAメチル化酵素aTrm11の構造機能解析
  • アーキア転写因子Tgrの構造機能解析
  • 超好熱性アーキアMethanopyrus kandleri由来tRNAスプライシング酵素の構造機能解析
  • アーキアRNAポリメラーゼの転写活性型開始メカニズムの解明
  • アーキア転写因子Tarの分子認識機構の解明
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